慢性腎臓病
慢性腎臓病
慢性腎臓病とは、「尿異常・画像診断・血液・病理で腎障害の存在が明らか」「GFRが60ml/分/1.73㎡未満」のいずれかもしくは両方が3カ月以上持続する状態を指します。原因として、最も多いのが、糖尿病性腎症で次いで高血圧による腎硬化症、次に慢性糸球体腎炎です。肥満、メタボリックシンドローム、脂質異常症、高尿酸血症も影響します。その他、自己免疫性疾患や急性腎障害から慢性腎臓病へ移行するケースもあります。いずれも早期からの治療が重要です。
ここでGFRとは、糸球体ろ過量のことであり、簡単に言うと「腎機能」を表すものです。本来はかなりややこしい検査を行うことで算出されますが、血液検査の「クレアチニン」の値から推算し代用する(eGFR)ことが多く、正常値は100ml/分/1.73㎡前後とされています。
慢性腎臓病の症状は進行の度合いによって異なり、初期段階では自覚症状がほとんどありません。しかし一度進行してしまうと、以下のような症状が現れます。
『希望ヶ丘しまや内科』での慢性腎臓病の診断は、主に血液検査、尿検査などの方法を用いて行います。
腎臓の働きを評価するために、血液中の尿素窒素(BUN)やクレアチニン値を測定します。これらの値が高い場合、腎臓の機能が低下している可能性があります。また、eGFR(推定糸球体濾過量)という値を計算し、腎臓の機能を評価します。eGFRが低いほど腎機能が低下していると判断されます。
尿中にタンパクや赤血球がどの程度含まれているかを調べます。正常な腎臓では、これらの成分はほとんど濾過されず、尿に排出されません。しかし、腎臓の機能が低下している場合、尿中にこれらの成分が多く含まれることがあります。
これらの診断方法を組み合わせることで、慢性腎臓病の原因や進行度を詳細に把握し、適切な治療計画を立てることができ、『希望ヶ丘しまや内科』では、患者様一人ひとりの状態に合わせた診断と治療を行っております。
また、定期的な健康診断や人間ドックを受けることで、腎臓の機能低下に気付くことができます。早期発見・早期治療が重要です。
希望ヶ丘しまや内科では、患者様の症状や状態に応じた慢性腎臓病の治療を行っています。治療方法は、進行度や原因によって異なりますが、主な治療方法は以下の通りです。
適切な食事や運動習慣によって腎臓に負担をかけない生活習慣を維持することが重要です。塩分やたんぱく質の摂取制限、適度な運動、禁煙、アルコールの適量摂取などが含まれますが、患者様一人一人に必要な制限は異なります。栄養指導では、個々の患者様の状況に応じた食事療法を提案し、患者様の健康状態を向上させることを目指します。
腎臓の機能低下を抑制し、症状の進行を遅らせる薬物療法があります。ACE阻害薬やARBといった血圧降下剤や、最近では糖尿病に対する薬の一部が腎機能の低下を抑制することが報告されています。また、高血圧や糖尿病などの慢性腎不全の原因となる疾患の治療にも重点を置きます。薬物療法により、腎臓の機能低下が遅くなることが期待できます。
慢性腎臓病の予防には、以下のポイントが重要です。
高血圧は腎機能低下の原因となります。血圧を適切に管理することで、腎臓にかかる負担を軽減できます。
糖尿病は慢性腎不全の主要な原因です。血糖値を適切に管理し、糖尿病の予防・管理に努めましょう。
肥満は高血圧や糖尿病を引き起こすリスクが高まります。適切な体重管理が腎臓病の予防につながります。
過剰な塩分摂取は血圧上昇の原因となります。1日の塩分摂取量を6g以下に抑えることが推奨されます。
喫煙は動脈硬化を進行させ、腎臓への血流を低下させるリスクがあります。禁煙は腎臓病の予防に有効です。
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